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ヴィニャルタ

火山の活動によって生まれた丘陵地帯「コッリ・エウガネイ」

ヴェネチアにほど近いヴェネト第三の都市パドヴァ。街の西側に広がる「コッリ・エウガネイ」(エウガネイは古代ヴェネト人の意)は、風光明媚な丘陵地帯です。イタリア北部に位置していますが、気候は温暖な地中海性気候。三千万年以上前の火山活動から生まれた複雑な土壌があり、多様なテロワールを有します。ボルドーと同じ緯度に位置していることから、フランスの品種が適していると考えられ、1870 年には最初のフランス品種(カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨン)が植えられました。
二度の大戦によってこの地の畑の多くは荒廃しましたが、1970 年代から徐々にイタリア全土で現代的なワイン造りが始まると、この地でも多くの生産者がブドウ栽培を再開しました。

コッリ・エウガネイの土壌はとてもユニーク。三千万年以上前の火山活動により形成された二つの特徴的な丘は、それぞれ異なる性質を持ちます。
二つの丘のうち大きい方は、大きな溶岩に覆われた火山質土壌。もう一つの丘は、白亜土壌と呼ばれる軟性の石灰質土で、海底の隆起によってゆるやかな斜面で形成されています。ヴィニャルタは、この二つの丘があるコッリ・エウガネイ DOC エリアの南側の区画に約 50 ヘクタールの畑を所有。
約 40 の栽培農家がいるこの地で、ヴィニャルタの畑は各区画でも最もブドウ栽培に適した、コッリ・エウガネイの個性を最大限に発揮する場所にあります。

ルーチョ・ゴミエロの成功と新たなる挑戦

1977 年にヴェネチア建築大学を卒業したルーチョ・ゴミエロは、趣味で始めたワイン造りの魅力に憑りつかれていました。1980 年には本格的にワインを造るべく、ヴィニャルタ社を設立。コッリ・エウガネイの地でフランスのポムロールのような「エレガントでありながら力強いワイン」を造ることを目指しました。ワイナリーのトレードマークは、建築の道を志していたルーチョにとって憧れの人物、近代建築三大巨匠のひとり「ル・コルビジェ」のデザインを採用。ギリシア神話に登場する「メドゥーサ」とアドリア海の輝く太陽がモチーフとなっています。
1987 年、この地で古くから愛されてきたブドウ「モスカート・フィオル・ダランチョ(モスカート・ジャッロ)」を使った甘口ワインをリリース、大喝采を持って市場に受け入れられました。また、1990ヴィンテージの「カベルネ・リゼルヴァ」がイタリアワインガイド「ガンベロ・ロッソ」にて最高賞である「トレ・ビッキエリ」を獲得。コッリ・エウガネイの生産者としては初の快挙を成し遂げました。

以来、今日までに獲得した「トレ・ビッキエリ」の総数は 13(2017 年版発表時)。トレ・ビッキエリ獲得数が 10 を超えた生産者には特別に「星」が与えられますが、設立からわずか 30 年でヴィニャルタはその星を持つ「特別な生産者」となりました。
ルーチョの成功によりコッリ・エウガネイの名は一躍イタリア全土に広がり、DOC 規定そのものが変更され、さらにはその後の DOCG 昇格(2010 年)への道筋をつけることとなったのです。
60 歳を過ぎて尚新しい試みを止めないルーチョは、2015 年には瓶内二次発酵で造られるスプマンテもリリースしました。
現在のヴィニャルタの目標は、コッリ・エウガネイの素晴らしいワインを世界中に広め、この地の伝統や偉大なテロワールについて知らしめることです。そのためにルーチョと彼の家族たちは情熱を注ぎこんでいます。

「ワイン造りにもっとも大事なのは時間をかけること。決して手間を惜しむことなく、焦ることなく、じっくりとブドウに向き合うことが大切だ。
楽をしようとして清澄剤や化学薬品に頼ることは絶対にしない。ブドウの品質を見極め、きちんとした発酵・熟成を行い、亜硫酸塩の使用も最小限に収める事。これが私のワインの基本だ」(Lucio Gomiero)